【光和堂通信】第13号1998年秋季号(Vol.4,No.1)1998.10.18
[予防と早期治療のために]

 今年はやはり自然災害が多いようです。世界的にも大雨や台風、地震や津波まで 発生し、どうも世紀末のイメージが重なります。さらに景気まで悪く、世界恐慌が 憂慮されます。
 不景気は病気と同様で、先行きの不安感が症状を悪化させます。早く先が見え、 不安感を解消できる景気対策が欲しいものです。

 急に秋らしくなりました。秋はアレルギーの病気が、春に次いで発症しやすい季 節です。特にアトピーや鼻炎、喘息など。さらにこの季節は、口腔内のトラブル、 歯痛や歯肉炎、歯槽膿漏、口内炎なども起こりやすい季節です。
 アレルギーの病気はすでに特集してありますので今号では、現在日本の死亡原因 No.1のガンについて述べたいと思います。後半は、口腔内の病気について予防と対 処法をお伝えします。

◆ 特集  ガン  癌
 現在、日本人の3〜4人に1人はガンで亡くなっています。社会の高齢化にとも なって、ますますガンの死亡率の上昇が予想されます。
 40歳を過ぎると「ガン年齢」と呼ばれガンが起こりやすい年齢になります。乳 ガンは、比較的早い年齢から、肝臓ガン肺ガンは、50・60歳代に多く、前立腺 ガンは70・80歳代に多く見られます。近年、胃ガンや子宮頸ガンによる死亡率 は減少していますが、大腸ガンや乳ガン、さらに肺ガンは増加の傾向にあります。 この背景には、食生活や喫煙などの生活習慣が深く関与しています。
 ガンをはじめとする成人病は、現在生活習慣病と呼ばれています。生活習慣が病 気の原因につながるからです。

◆ ガンの原因は遺伝より
      生活習慣なり!
 ガン細胞は、だれにでもできる可能性があります。しかし、健康で十分 な免疫抵抗力があれば、そのガン細胞が増殖する前に、免疫細胞が、やっつけてし まいます。ところが、そこに不摂生や過労が続くと、免疫力が低下し、芽生えたガ ン細胞は徐々に増殖を続け、ついには正常な細胞を邪魔するようになり、体の働き を妨げるようになります。

そこまで行くと手術や抗ガン剤など厄介な治療が必要になります。

◆ だれもがガン細胞を
     殺す力を持っている!

 ガン細胞をやっつける力は、だれもが持っています。これを十分に発揮 させられるかどうかは、あなたにかかっています。

◆ 漢方鍼灸によるガン治療
 東洋医学の基本発想は、自己の治癒力をたかめることにあります。だれもが潜在 的に持っているガン細胞を打ち負かす力を、フルに発揮させます。
胃ガン食道ガン大腸ガン…田七人参・霊芝
肝臓ガン胆道ガン…牛黄・田七人参
肺ガン…冬虫夏草・霊芝
乳ガン…茯苓・ヨクイニン
子宮ガン…三稜・田七人参
 これらの生薬は各臓器の働きを高め、さらに免疫力を増強します。ガンの予 防にもたいへん効果的です。
 鍼灸治療は、ツボを通して各臓器に刺激を伝え内臓の働きを高め、さらに全身を 治療することで免疫力を活性化します。

◆ 「未病を治す」東洋医学
 「未病を治す」とは、病気になる前に病の萌芽を見つけ治すことです。まさに東 洋医学の理想とする治療法です。これを是非ともガンの治療や予防に役立ててくだ さい。

◆ ガンの手術後
 手術や抗ガン剤による治療の後は、どうしても体力が落ちてしまいます。手術は 成功したのだが、・・・。といつたことがないように、一日も早く体力を回復し、 免疫抵抗力をつけたいものです。
 また、手術後、転移があるか不安になるところです。しかし、ここでは心配せず、 たとえ検査で見つからない程の小さいガンがあったとしても、自分の力で十分にや っつけられると自信を持ってください。弱気になったらだめです。
 その他術後に体調の変化を訴える方もいます。胃の摘出手術後は、一般に胸やけ や便秘軟便などの症状がおこります。このような体調の変化による症状の軽減には、 漢方や鍼灸療法が最適です。

◆ 特集 口腔内トラブル
 季節の変わり目は、病気の起こりやすい時です。 秋は特に、耳・鼻・口腔の病気が多くなります。 中耳炎や耳ダレ、鼻炎や喘息、口内炎や歯肉炎などです。実り多き食欲の秋に、口 腔内のトラブルで食べられなかったり、鼻炎で味覚が鈍ったりしては困ります。  口腔内は胃と深い関係があります。口腔内の炎症は、胃に熱がこもり、それが口 まで上がってきて、粘膜を傷めることによって起こります。さらに、口腔内の粘膜 が乾燥気味だと口内炎に、また、肩こりがあると歯痛や歯肉炎に、食生活が不摂生 だと舌炎や歯槽膿漏になりやすくなります。

◆ 歯痛
 歯痛は、一般に虫歯が原因ですが、肩こりや風邪によって起こる場合もあります。 虫歯による場合は歯医者さんでないと治りませんが、鍼灸や漢方薬で痛みを緩和さ せることができます。

◆ 歯肉炎
 季節の変わり目の今頃、歯ぐきが腫れ痛むのは、歯肉炎です。食べ物を噛むと痛 みが増強します。このようなときは、肉食を避け野菜を多く食べるように心がけま しょう。漢方薬の桂枝五物湯がよく効きます。また、患部に塗る薬もあります。

◆ 歯槽膿漏
 歯肉が赤く腫れ、歯ブラシの時に出血するような症状がゆっくりと慢性的に進ん でいきます。口臭の原因にもなり、長期間放置すると、歯が緩んでグラグラし、つ いには歯が取れてしまうこともあります。一般に糖分や肉食の取り過ぎやカルシウ ム不足が原因で、また糖尿病が関与する場合もあります。

医食同源 その5
 茄子
(なす)
 へたを塩水に漬け乾燥させ黒焼きし粉にする。それを歯周炎・歯槽膿漏・口内炎 の患部に塗る。

◎  自分でできる
  即効指圧 その13 歯痛

上歯/下歯  上の歯の痛みには、頬骨の下にある下関(げかん)を、下の歯には下顎にある頬 車(きょうしゃ)や大迎(だいげい)を指圧します。押すと痛みが和らぐ所、それ がツボです。 歯痛 肩の真ん中にある肩井(けんせい)をよく揉みほぐすように指圧し、肩こりを解消 します。肩の緊張は歯痛を憎悪させます。

 漢方薬では膿汁多い場合は俳膿散、肥満傾向で肉食の多い人は防風通聖散、糖尿 病により併発した人は、八味地黄丸がよいです。また、黄柏末と甘草末を等量混ぜ、 粗塩を少々加えたものを患部の歯肉に付けます。毎日歯ブラシの後に行うと、歯ぐ きも引き締まり、腫れ炎症出血も予防できます。歯槽膿漏の方は是非お試しくださ い。

    〈お知らせ〉
 女性学級講座「東洋医学からアトピーを考える」
10月28日(水)午前10時〜12時、指扇公民館。
お問い合わせは指扇公民館 048-622-4424 へ。
    《あとがき》
 指扇公民館の講座、参加者が少ないと寂しいので、皆さんふるってご参加くださ い。保育もあるそうです。
 朝日中学生ウイークリーの9月20日号にパプア・ニューギニァの薬草と伝統医 を紹介する記事が載りました。こちらもよろしく。


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