【光和堂通信】第14号1999年冬季号(Vol.4,No.2)1999.1.1
[予防と早期治療のために]

  謹賀新年

健康な一年でありますよう
 心からお祈り申し上げます

 新しい一年をお屠蘇で祝杯しましたか? 年末に差し上げた屠蘇散には、白朮び ゃくじゅつ(オケラの根:健胃・利尿作用)、山椒さんしゅう(山椒の実:健胃・ 抗菌作用)、桔梗ききょう(鎮咳去痰・消炎作用)桂皮けいひ(シナモン:健胃・ 発汗・解熱・鎮痛作用)、陳皮ちんぴ(ミカンの皮:健胃作用)、防風ぼうふう (発汗・解熱作用)、などの生薬が入っています。
 これらの生薬の有効成分がお酒に溶け、それを飲むことによつて、新陳代謝 を高め、胃腸の働きを整え、のどや気管支を保護し、さらに体を温めて、万病の元 である風邪をひかない元気な身体にします。是非お試しください。ミリンを入れず 清酒だけの方が飲み易いかもしれません。
 昨年よりアメリカで話題のバイアグラが、先日異例の早さで日本でも承認されま した。近日、日本でも発売になりますが、医師の処方せんがないと買えない薬です。 副作用による死者が、すでに百人超えており十分な注意が必要です。
 そこで、今回は安全で効果抜群の漢方の ゛バイアグラ゛を新春特別企画として 紹介します。

◆ 漢方による強精強壮
 漢の武帝は、不老不死、回春の薬を最も貪欲に捜し求めた皇帝の一人です。特に 鹿茸ろくじょうを愛飲して、一晩に何人もの女性を相手にしたと伝えられています。 鹿茸とは、鹿の未成熟の角のことです。鹿は元来一夫多妻で精力絶倫であることか ら、強精の要薬として用いられてきました。唐の時代の医学書「千金方せんきんぼ う」には、精力剤とて鹿茸に勝るものはない、と書かれています。そこで中国三千 年の妙薬を、各個人の体質にあわせて紹介します。

①肝機能の悪い人:お酒が好きでお誘いを断れない人、体重が気 になり太りぎみ、血圧高めで健康診断では、γ‐GTPの値を注意される人。肝臓 は血液を蓄えておく臓器です。肝臓が弱っていると、陰茎に十分な血液がおよばず 勃起を弱くします。

 (対処法)  適度なお酒は、血液循環を促進しますので、勃起に良いのですが、肝臓に負担が かかるような深酒はいけません。枸杞子くこし(クコの実)や黄精おうせい(ナル コユリの根)、漢方処方では、小柴胡湯しようさいことうや補中益気湯ほちょうえ っきとうが良いです。

漢方バイアグラNo.1
至宝三(しほうさん)鞭(べん)丸(がん):
鞭べんとはペニスのことで、 オットセイや鹿、広州産の犬の三種のペニスと睾丸が主薬です。さらに鹿茸や海馬 かいば(タツノオトシゴ)などが配合されています。これは本当に良く効きます。

漢方バイアグラNo.2
海馬補(かいばほ)腎(じん)丸(がん):
中国清代の秘伝薬で、主薬であ る海馬タツノオトシゴは、インポテンツや女性の機能不全にも効果があります。そ の他、鹿茸なども配合されています。精神不安やボケにも効果があります。

②胃腸虚弱な人:胃腸が弱いと下っ腹に力が入らず、精力的に弱くな りがちです。疲れやすい人も胃腸虚弱の方が多いようです
 (対処法)  消化の悪いものや冷たいものをさけ、温かく消化の良いものを食べましょう。漢 方では、小建中湯しょうけんちゅうとうが最適です。男のバロメータ朝立ちも良く なります。

③精神的に弱く気力不足の人:大病や手術後で気力体力ともに不足し ている人、また夢精する人。精神的に弱い背景には、性行動に応えるだけの体力が ない場合がほとんどです。へその下丹田にしっかり力が入っていなければだめです。 まず、体力を。
 (対処法)  漢方の十全大補湯じゅうぜんたいほとうは血を補い、体を温め、血行を良くして、 体力をつけると同時に、気力を増し、精神面も充実させます。

強精強壮の薬酒
十全大補酒:強精の他、病後や術後の回復に。枸杞酒:疲労回復に。 イカリソウ:心臓病の人にも良い強精薬

④手足が冷え疲労感の強い人:
 腎が弱り水分代謝が悪くなり、夜間排尿が多く、常に腰から下腹部、下肢にかけ ての冷えを伴うもの。漢方では、生殖機能を腎の働きの一部と考えています。

 (対処法) とにかく下半身を冷やさないようにして、入浴後に性 行動を。漢方では、八味地黄丸はちみじおうがんが体の芯から温め、下半身の血行 を良くし、勃起を助けます。

漢方バイアグラNo.3
鹿(ろく)茸(じょう)精(せい):
聖徳太子の時代から日本でも薬狩りと称して、鹿茸ろくじょうが採取され薬とし て用いられていました。強壮強精の他、自律神経失調症や更年期障害にも効果があ ります。

⑤糖尿病の人:糖尿病の合併症の一つであるインポテンツは、糖尿病 の患者さんの30%ぐらいの方が悩んでいます。インポテンツの主原因は血管障害 です。糖尿病では、血管や神経にダメージを与えるリスクが高く、血管障害や神経 障害がおこりやすくなります。しかし、すべての方が罹るわけではありません。検 査をすると、心理的なことが原因している場合も多いようです。あまり悩まず是非 専門家に相談してみてください。
 (対処法) 血糖のコントロールをきちんとしましょう。漢方では、 白虎加人参湯びゃっこかにんじんとうや八味地黄丸が血糖を調整しながら、陰部の 血行を促進してくれます。
 以上強精強壮について、症状及び体質から漢方での対処法を述べてみました。さ らに、漢方には房中術ぼうちゅうじゅつと呼び、セックスを健康維持や病気治療に 用いる方法があります。中国隋唐時代に著された「素女経そじょきょう」「素女方 そじょほう「玉房指要ぎょくぼうしょう」、さらに日本では平安時代に著された 「医心方いしんぼう」などは医学書として、薬物や病理だけでなく、健康のための セックスである房中術を現代に伝えています。たいへんすばらしい内容です。

医食同源 その6
 山薬 やまのいも

刻み陰干しにしたものを、煎じるか薬酒にする。滋養強壮、遺精に。

 今回もう一つ殿方の悩める病、前立腺肥大について記します。

◎ 自分でできる 即効指圧
 その14 精力減退・前立腺肥大

精力減退  ふとももの内側にある陰包(いんぽう)から内股に向かって指圧します。女性に も効果があります。
前立腺肥大  へその6cm下にあり関元(かんげん)を手のひらで暖めるようにゆっくりマッ サージします。尿の出渋りを取り、出を良くします。

◆ 前立腺肥大—手術の前に漢方を
 前立腺は精液を分泌し、精巣で作られた精子を浮遊させ、精子の運動を活発にさ せる働きがあります。膀胱の出口で尿道を囲むように存在します。60歳を過ぎる と前立腺は次第に大きくなり、尿道を圧迫して、排尿しにくくなったり、トイレが 近くなったりします。さらに進むと、尿意があっても出るまで時間がかかったり、 勢いよく出ずに、残尿感が出るようになります。
 手術に至る前に、是非漢方を試してください。騰竜湯とうりゅうとうと八味地黄 丸が良く用いられます。

    《あとがき》
 お蔭様で店舗前並び治療院の改装がやつと完了しました。工事中は、ご迷惑をお 掛けしました。
 また、現在光和堂のホームページを改良中です。
写真や光和堂通信のバックナンバーも見られるようにします。乞うご期待。


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