光和堂通信 第17号1999年秋季号(Vol.5,No.1) 1999.10.13
[予防と早期治療のために]

 九月中は、残暑見舞いを申すほどの暑さでした。お彼岸を過ぎてもまだ暑い。これは やはり異常気象なのでしょう。10月に入り、やっと秋のさわやかな風が吹いて来まし た。
今年の九月は、梅雨時のような気候でした。温度が高く蒸し暑い。ですから、梅雨時 に多い症状である神経痛や首肩腰痛の患者さんが増えました。また、従来から秋に多い 病気である痔ゃ鼻炎・瑞息・皮膚炎などのアレルギー疾患もやはり増えています。
 今号では、自律神経失調症とリウマチを特集します。
特集 自律神経失調症とは?
 自律神経は、内臓の働きを調節する神経です。交感神経と副交感神経という二っの神 経が、内臓の働きを高めたり、抑えたりして、バランスを取ります。この働きが自律神 経です。私たちの体は、自分で意識しないでも、食べたものを消化し排泄することがで きるように、自動制御の仕組みが備わっています。ところがこの自動制御の仕組みが乱 れてしまうことがあります。これが自律神経失調症です。
 この自律神経の働きは、自動制御ですが、私たちの意志と行動に密接に関連していま す。たとえば、「おなかが空いたな」の空腹感は内蔵の働きを調整する自律神経から発 せられ、大脳にその知らせが伝わります。そこで、普通なら「よし昼ごはんの時間だ。 」と言って何かを食べます。すると胃に食べ物が入り、消化吸収し、大便小便として排 泄物を製作します。この工程を自律神経は担当します。ごはん食べること、排泄物を出 すこと、つまりトイレに行くことは、私たちの意志と行動によってなされます。
体の訴えを無視するな!
 自律神経の失調の多くは、従順に働いている自律神経の役割を理解しなかったり、そ の訴えを無視したりすることによって起こるのです。おなかが空いて食べたいのに、忙 しくて食べられない、あるいは自分の意志で食べない。トイレに行きたいが、接客中で 忙しくていけない。このような自律神経の訴えに反する行動を、何度も繰り返している うちに、自律
神経も反発し暴走し、その働きが乱れてしまうのです。 その結果、食欲不振や悪心、あるいは頻尿や残尿感を引き起こすのです。
さまざまな症状の
     自立神経失調症

・倦怠感、肩こり、手の振るえ、しぴれ、頭重、めま
 い、不眠など(筋肉神経系)
・動悸、手足冷感、異常発汗、のぼせ、
 血圧動揺など(循環器系)
・食欲不振、悪心(気持ち悪い)、
 胃部鈍痛、便秘、下痢など(消化器系)
・息苦しい、呼吸困難、
 のどのつかえなど(呼吸器系)
・多汗症、鳥肌、蕁麻疹など(皮膚症状)
・頻尿、残尿感など(泌尿器系)

交通事故の衝撃・ショックも
           原因に
 また、交通事故などによる頚椎への強い衝撃も、自律神経を乱す原因になります。 自律神経は頭部にある脳から頚椎(首)を通って、各臓器につながっています。事故によ る衝撃と鞭打ちによって頚部にある自律神経がショックや損傷を受けたことによると考 えられます。
どのように治す
     自律神経失調症
 まず、原因を見極めることです。多くの場合が、自分の体が発している訴えを無視し てその意に反する行動を取っで来たはずです。自分の体の訴えを長年無視して来たこと に対する自律神経の応酬です。
 ところが、この応酬による症状に惑わされてはいけません。また、気のせいと症状を 甘く見たり、また、それに対していらついてもいけません。原因を見極め内臓を検査し ても悪いところがないと分かったら、まず現在ある症状を取り除くような治療をしまし ょう。(漢方や鍼灸治療は最適です。)そして、症状が落ち着いたら仕事や日常生活に 戻ることです。規則正しい生活をめざし、あまり考えずに行動して行くことです。激し く恐ろしい症状(めまいや呼吸困難あるいは交通事故など)を


光和堂 漢方相談・鍼灸治療
[受付時間] 午前部10〜13時/午後部2〜7時、
[月曜日休診]但し火・木・日は午前部のみ

経験してしまった人は、病と死の恐ろしさを感じ、同時に自分の身体に自信を喪失しま す。このような方も、今感じる症状を改善しながら、自分の身体に自信が持てるように 焦らず治療を続けることです。心配であれやこれやとただ考えているだけは禁物です。 行動し、自分に自信を取り戻すことです。この行動とは、難しい事ではなく、家事をす るとか、仕事をするとか、日々の生活に根差した行動が良いのです。決して、何か人の ためになることや偉大な業績を残すような事をする必要はないのです。これが、行動療 法とも呼ばれているものです。これを実践すれば必ず自分の身体に自信がつき、自律神 経失調症から脱出できます。
特集 慢性関節リウマチ
 リウマチは、手指や手首、肩膝などの関節が腫れ痛み、動かすと特に痛むよな病気で す。その症状をまとめると次のようになります。
 (1)朝の手のこわばり。
 (2)動作による手首や膝の痛み。
 (3)血液検査でリウマチ因子が陽性。
関節の痛みやこわばりは1ヶ月半以上続くことが条件です。それ以外は、関節炎や神経 痛などが疑われます。
 このリウマチの原因は、実は私たちの体を外敵から守ってくれる免疫作用なのです。 免疫は、体にとって害のある細菌やウイルスなどを退治する大変重要な作用です。しか し、この作用が狂うことがあります。敵の認識を狂わせ、自分の体に向いたり(自己免 疫)、反応しなくても良い花粉やほこりなどに反応(アレルギー)したりするようにな るのです。慢性関節リウマチは、自分の関節組織を”敵“と見なし、免疫作用を担う抗 体が作られ、関節を攻撃することによって起こるのです。
 自分の味方の兵隊さんが、裏切り謀反を起こし、自らを攻撃しているわけです。これ だから、リウマチが治りにくいのです。
 そこで治療は、根気よく自分の体を説得することです。痛みが強いと辛く、自分の体 が嫌になるかもしれませんが、嫌になったりイライラすると余計に悪化するのがこの病 気の特徴です。
民間薬 その7
 よく苡仁 ハトムギ

リウマチ、関節の腫れ痛みに、 またイボや肌荒れに。麦茶のように 煮出して、その煎液をお茶のように飲む。
免疫の働きを正常に
 漢方や鍼灸治療は、バランスを乱し、狂った免疫の作用を元に戻すよう根本から治し ます。特に免疫の働きを調節するホルモンや自律神経に働き掛け、バランスを戻します。 また、食生活の片寄りや不規則な生活は、改めなければなりません。日常生活や感情も バランス良く。
 自分でできる
 即効指圧 その17
    慢性関節リウマチ
手首と指  親指と人 差し指の間にある合谷(ごうこく)、 手首の陽谿(ようけい)と人差 し指の関節にある二間(じかん) や他の指の関節の側面を、お 湯の中で温めなが指圧します

 膝のお皿の下にある膝 眼(しつがん)をゆっくりと 膝の中心に向かって指圧しま す。
   ◇        ◇        ◇
   《休診のお知らせ》
(1)10月23日(土)午後から29日(金)まで  (韓国での国際会議出席のため)
(2)11月17日(水) (名古屋での講演会のため)
   《募集》
光和堂では、特に土・日曜日に働ける受付兼助手 を募集しています。お問い合わせは光和堂まで。
   《あとがき》
 自然災害が多いこのごろ、来年2000年を皆さんが良い年で健やかでありますよう に、光和堂の屠蘇散で新年を祝杯しましょう。12月よりお配り致しますので、お早め にお越しください。


光和堂通信 第17号1999年秋季号(Vol.5,No.1) 1999.10.13
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