新年明けまして
おめでとうございます
初詣は行ってきましたか? 今年も人出が多かったでしょう。このところの景気や
世相の悪さを思うと、神頼みしたくなります。私は、ここ数年冬至にお参りをしてい
ます。冬至を一年の初めとする冬至正月とする風習があります。この日に一年の願掛
けをすると、この日から少しずつ日が伸びていくように、願いも叶うほうへ少しずつ
伸びてゆくと云われています。太陽が最も低く昼間が短いこの日が一年のスタートで
あり、願い事をするのによいわけです。正月三が日のような混雑はありませんので、
神頼みもよく届くような気がします。
さて、祈祷や神頼みによって病気は治るのでしょうか? そんな研究を科学的に証
明しようとしている研究者もいますが、なかなか容易にはいかないようです。しかし、
期待と希望を持って病気を治そうとする気持ちが、病気の種類によっては大きな治療
効果を発揮することが科学的にも証明されています。「信じるものは救われる」とい
いますが、これを実証したわけです。このことは、実はプラセボという偽薬の研究か
ら明らかにされてきたことです。
*プラセボは期待と希望をもたらす
薬の有効性を調べるために、臨床試験といって患者さん(時にはお医者さんも)を
グループに組分けして、本当の薬と偽薬を服薬してもらいます。そして、その結果を
本物の薬と偽薬を服用したグループでそれぞれ比較します。すると、場合によっては
両者で差がなかったり、むしろ偽薬の方が効いたりすることがあります。特に心理的
な要因が強く関与する病気(うつ病や胃潰瘍など)でそのような結果が報告されてい
ます。
病気には、検査数値やレントゲンなどの客観的なデータだけで理解できないものも
あります。「病は気から」というように、微妙なこころの状態が、病を快方にも悪化
にも仕向ける可能性があるのです。そこで、病気治療や薬の
服用に際して、気持ち良くしかも快方への確信を持っておこなえるようにしたいもの
です。
*感情とからだの働き
こころの状態は感情と深い関係があります。東洋医学では、七情といって「怒・喜・
思・憂・悲・恐・驚」を取り上げ、それぞれの感情がからだにどのような影響をおよ
ぼすかを経験の蓄積から論じています。今回は、「怒」と「思・憂」を取り上げます。