光和堂通信 第2号1996年冬季号(Vol.1,No.2)1996.01.20
[予防と早期治療のために]

 今年はじめての光和堂通信です。
本年もよろしくお願いします。
 今年の冬は、例年にない、厳しい寒さが続いています。このように寒波の続く日々は、心臓病や脳卒中の発作が起こりやすくなります。そこで、今回は心臓病や脳卒中に対処するためのチェックポイントと、これらの発作を引き起こす寒さや冷えの対策についてのお話です。

◆ 特集 今年は寒い!
 脳卒中・心臓病チェック

(1) 日ごろ血圧が高い
[脳卒中]
(2) 朝起きた時頭が重い
(3) 手先、足先が冷える
(4) 肩や首筋がこる
(5) 頭痛がする
(6) 目が疲れる
(7) 便秘気味である
[心臓病]
(8) 背中がこる
(9) 胸が圧迫される。痛い
(10)動悸がする

 脳卒中・心臓病予防法
(1) 手足を冷やさないよう手袋、靴下を上手に利用(寝ている間も使用してもよい)
(2) 手のひら、足の裏を血流がめぐるまでよく指圧・マッサージする
(3) 肩凝り、首筋のこり、背中のこりを解消しておく(光和堂へ)
(4) 腹八分目にする(満腹時に発作は起こりやすい)
(5) 便秘は必ず解消しておく(排便時の血圧急上昇は危険・・光和堂へ)
(6) 血圧を管理する(光和堂、病院へ)
 怖い発作も、以上のことを注意しておけば大丈夫。寒さ、冷えは心臓病や脳卒中だ けでなく婦人病にとっても大敵です。

 寒さ、冷え対策
(1) 衣服を工夫する(スカーフを首に巻く。大判ストールを腰に。レッグウォーマーに あったか室内ばきetc…)
(2) 足湯をする
(3) 温かい食物をとる(生野菜は体を冷やす)
(4) 暖房器具を上手に利用し、頭寒足熱を心掛ける(ホットカーペットの利用や、電気 毛布は腰から足をあたためるなど)

 寒さは、ストレスになります。寒い冬は、ゆっくりと湯船につかって、身体の芯から 温まり、寒さのストレスを十分に解消しましょう。
 そこで、お風呂の中のちょっとした時間を利用して、足の冷え、引きつれ、疲れを解 消する、マッサージを紹介しましょう。(図参照)

 自分でできる
 即効指圧 その2  足

足のひきつれ   (1) 両手で足首を包んで1、2、3と圧迫します  (2) 両手で、足首からひざ頭にむかってゆっくりと中心より外側にむけてマッサージし ます  (3) ひざの裏(リンパのあつまるところ)を圧迫します  (4) (1)〜(3)を3〜4回くり返す

足の冷え   (1) 湧泉(ゆうせん)又は足心(そくしん)を指圧します。さらに足の指先をもむよう に指圧します。  (2) 足の裏にミニ使い捨てカイロを貼ります。低温やけどをしないように注意してくだ さい。
 冬におけるもうひとつの大敵が乾燥です。乾燥は、のど風邪や扁桃腺炎を、皮膚には かゆみやアトピー性皮膚炎を起こす原因になります。そこで、乾燥対策です。
 のど・お肌の大敵
 乾燥から身を守ろう

[室内]
(1) 加湿器を使う
(2) 洗濯物や濡れタオルを干す
(3) 植物を増やす

漢方薬局  光和堂  鍼灸治療院
【受付時間】火・木・日曜は午前部のみ
午前部:10〜12時/午後部:2〜7時
【月曜・祝日休診】

[お肌]
(4) 洗顔は一日二回(洗い過ぎは禁物)
(5) あまり熱いお湯で洗わない
(6) 石鹸、洗顔料はつっぱらないものを
(7) 足などの脱毛は控える
(8) 紫外線に気をつける
(9) 肌荒れに気づいたら放置しない(ホリグチへ)
(10)お風呂で、よくマッサージする(血行をよく)
(11)洗面器に熱いお湯を入れ、エッセンシャルオイルを一、二滴たらし、蒸気浴する
◎ 乾燥肌によい軟膏・化粧品
(1) 馬油(乾燥肌に)
(2) 紫雲膏(ひび、あかぎれに)
(3) ケラチナミン(固くなったかかとなどに)
(4) ムヒソフト(乾燥とかゆみに)
(5) アベンヌ石鹸(敏感肌でも使える)
(6) アベンヌクリーム(うるおいを保つ)

◆ 特集 春に備えて "花粉症"
 二月の節分の頃から桜の花が散る頃までは、アレルギーの季節です。まだ、寒さは続 きますが、木は芽吹き、地中では、虫が動き始めます。一年の始まりです。自然界は、 静から動へ、内から外へと移り変わる時です。人の身体も自然の一部です。血が騒ぎ、 出血や充血し易く、のぼせやすい季節なのです。そこに、多量の杉花粉が飛来します。 充血しやすくなった鼻や眼の粘膜は、たちまち反応して、鼻水やくしゃみが出たり、眼 がかゆくなるのです。
 一度、花粉症が始まったら、それを止めることは、容易ではありません。なるべく、 春が来る前の今の季節から、準備をすることです。花粉症になってしまっても、できる だけ症状を緩和させるために、次の対策を念頭に入れておいてください。
 花粉に負けるな!
  花粉症対策

(1) チョコレート、ココア、コーヒーは控える(もとは強壮剤、血を騒がせ、抗体を過 敏にする)
(2) 甘いものをなるべく食べない(糖分はエネルギー源としては重要だが、炎症を起こ し易くする)
(3) 香辛料のきいた辛いものは、食べない(鼻、眼の粘膜を充血させ易くする)
(4) エビ、カニ、イクラ、カズノコなどは食べない
(5) タケノコ、ゼンマイなどは食べない
(6) アルコール類は控える(いずれも血を騒がす)

(7) タバコは控える(鼻の粘膜を充血させる)
(8) 便秘は禁物(血を汚し、過敏になる)
(9) 生理痛・生理不順を放っておかない
(10)手足先を冷やさない(のぼせを起こす)
(11)鼻や眼を洗う
(12)マスクをする
 また、花粉症をひきおこしやすい体質を改善する意味でも次のような食品を摂るよう にしましょう。
◇ 花粉症によい食事
 ゆり根、シソ、ショウガ、菊花、ハッカ、長ネギ、ハトムギ、シナモン、クズなど
なお、カロリーの取り過ぎに注意して、なるべくベジタリアンのように野菜中心の食 事にするとよいです。
◎ 花粉症に効く漢方薬
(1) くしゃみ・鼻水→小青龍湯(しょうせいりゅうとう)
(2) 鼻づまり   →葛根湯加川?辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
(3) 眼充血かゆみ →十味敗毒湯合白虎加人参湯(じゅうみはいどくとうごうびゃっこ かにんじんとう)
(4) のど炎症かゆみ→駆風解毒湯(くふうげどくとう)
[予防に]
(5) アレルギー体質改善→十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
(6) 便秘       →桂苓加大黄丸(けいれいかだいおうがん)
(7) 生理痛・不順   →桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
  更年期
★ 『あとがき』
 お正月に、お屠蘇。日本の昔からの習わしです。皆様は、光和堂の屠蘇散お試しにな りましたか。先日、酒好きの友人が、この屠蘇散を、なんとビールの中に入れて元旦に 飲んだと聞きました。なかなか、いい味だったとのこと。来年の正月には、私も試して みよう。ビールに屠蘇散。乾杯。
 イベントのたくさんあった冬休みが過ぎ、新年会も一通り終わると、また日常の仕事 に追われる日々がやって来ました。毎年同じことの繰り返しにうんざり、という人もい るのではないでしょうか。ある文章によると、「働く」という言葉には、「はた(周囲 の人々)を楽にする」と言う意味もあるとのこと。単調な毎日、少しでも前向きな気持 ちで働きたいものですね。
 本命の彼が花粉症の人へ。二月十四日にはチョコレートではなく、柑橘系のコロンな どいかがでしょうか。
(以上)